心筋梗塞の治療について
心筋梗塞の治療では、一般的には「血管内カテーテル」を用いて閉塞部位を開通させ血行を再開させる方法が選択されます。先に「バルーン」を付けたカテーテルを血管が狭窄している部位に通してバルーンを膨らませて閉塞血管を拡張させて血行を回復させます。バルーンを広げて数十秒拡張させて血管の拡張を安定させますが、時間経過により再発するリスクがあるので、「ステント」と呼ばれる金属製の網を血管内に広げて再狭窄を防ぎます。
最近ではステント留置後の更なる再発(再狭窄)を防ぐため、血液が固まらないようにする特殊な薬剤をゆっくりと溶出させることが出来る「薬剤溶出性ステント」がしばしば用いられます。
治療を行う上でのポイント
- 適切な処置をして48時間を乗り切れば回復することが多い
- 死亡例のほとんどは発症後3-4時間以内の致死的不整脈
- 発症後2時間を経過すると急速に壊死が進展する
血管内カテーテルの治療を行った後も、再発を予防するために、抗血小板剤とよばれる血栓の発生を予防する薬剤の内服がしばらく必要になります。また、カテーテル治療により十分な血行再建ができない場合は、冠動脈バイパス手術を行うことになります。