米国NIH(National Institutes of Health、国立衛生研究所)における大規模調査により、キレーション療法が心筋梗塞再発、脳卒中発症、冠動脈血行再建、不整脈による入院の有無すべての観点で効果があったという論文が2013年3月27日、JAMA(The Journal of the American Medical Association)にて発表されました。 論文詳細については最下部の英文リンクからご確認ください。以下はその要約になります。
論文名
心筋梗塞の既往のある患者に対してキレーション療法は心血管イベント(心筋梗塞や心不全など重篤な循環器系の症状)の発生抑止効果があるか
対象、治験期間
過去6週間以上前に心筋梗塞を発症した重篤な腎機能障害のない50歳以上の1708人を対象に2003年9月から2011年10月まで二重盲検プラセボ対象試験を実施した。
結果
初め1週間ごとに30回、その後2~8週間ごとに10回、839名には1回3gのEDTA製剤を、869名にはプラセボを点滴にて投与し、死亡率および心筋梗塞再発、脳卒中発症、冠動脈血行再建、不整脈による入院の有無について比較検討した。
方法
死亡率に差異はなかったが、心筋梗塞再発、脳卒中発症、冠動脈血行再建、不整脈による入院の有無すべての項目において、EDTA投与群の方がプラセボ群より優れていた。
結論
心筋梗塞を過去に発症した経験のある無症状の患者さんに対するEDTAの経静脈的投与は、血行再建を通常必要とする心血管系のトラブルの発症を、プラセボ投与に比べて抑えることが示された。
米国時間2013年3月27日、JAMA(The Journal of the American Medical Association)に正式出版されました。そのリンクを下記に添付します。
Journal article:Lamas GA, et al "Effect of disodium EDTA chelation regimen on cardiovascular events in patients with previous myocardial infarction The TACT randomized trial" JAMA 2013; 309: 1241-1250.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1672238
Author Video Interview:Effect of Disodium EDTA Chelation Regimen on Cardiovascular Events in Patients With Previous Myocardial Infarction: The TACT Randomized Trial (05:24)
http://jama.jamanetwork.com/multimediaPlayer.aspx?mediaid=5434616