メールでご予約 お電話でのご予約:受付時間月~土9:30~18:00

脳梗塞とは

トップページ > 脳卒中(脳梗塞やくも膜下出血等)とは > 脳梗塞とは

脳の血管がつまる病気 - 脳梗塞とは

脳梗塞とは:イメージ画像

高血圧や糖尿病のある方、又は血中のコレステロールの値が高い方では、動脈の壁が傷つき、その部分に脂質や血液の固まりがつきやすくなります。こうして、血管の壁が部分的に徐々に厚くなり、血管の内腔が狭くなる状態を動脈硬化といいます。

脳の血管が動脈硬化により狭窄または閉塞してしまうと、酸素や糖等のエネルギーを供給している血液がその先の脳細胞に行き渡らなくなってしまいます。これらのエネルギーなしには、脳は活動できませんから、血液の足りなくなってしまった脳は活動を停止してしまいます。

脳がエネルギー不足により働かなくなった状態を脳虚血といいます。
脳虚血の状態がある一定の時間以上つづくと、脳細胞は働かないだけではなく最終的に死んでしまいます。
このような状態を脳梗塞といいます。つまり、脳梗塞とは脳の血管がつまることによって、脳の組織が死んでしまった状態です。

脳梗塞の前段階である脳虚血の状態であれば、閉塞した血管を検査して見つけだし、再開通させることで、働きを停止していた脳が活動を再開できることがあります。一般に症状が出てから3~6時間以内は、脳虚血の状態であるといわれ、それ以上時間が経過すると脳梗塞になるといわれています。したがって、症状が出たら直ちに病院で適切な治療を受ける事が重要です。

一旦、脳梗塞に陥ると、その部分は神経細胞が死んでしまっているため、症状を改善させることは困難です。

脳梗塞の原因と初期症状

脳梗塞の原因としては、大きく分けて2通りが考えられます。動脈硬化により血管の内腔が狭窄を起こし徐々に血管を閉塞する場合と、血液のかたまり(血栓)や動脈硬化などのかたまりがちぎれて血管内を移動し、先の血管を閉塞してしまう場合(塞栓)があります。

また、脳梗塞に陥る前段階として、一時的に麻痺や視力障害、言語障害等の症状を呈することがあります。これらは、専門的な言葉で「一過性脳虚血発作」といい、一時的に脳の血管が閉塞したり、動脈硬化による血管が狭窄したりすることによって起こります。
通常、症状は自然に改善しますが、いわば脳梗塞になる前段階での脳からの“危険信号”ですから、一過性脳虚血発作の段階でなんとか診断をつけて、脳梗塞に至る前に処置をおこなうことが非常に大切です。

脳梗塞の種類

ラクナ梗塞- 脳の細い血管が詰まって生じる脳梗塞(小梗塞)

ラクナ梗塞:イメージ画像

細い脳血管が狭窄し、詰まったことによって生じる脳梗塞(病巣の大きさ15mm未満)のことを言います。ラクナとは小さなくぼみという意味で、小梗塞とも呼ばれます。主に高血圧が原因で起こることが多く、日本人に最も見られるタイプの脳梗塞です。発作や症状が見られないことがあり、CT・MRIなどの検査で初めて発見されることが多いのが特徴です。

アテローム血栓性脳梗塞- 脳の比較的太い血管が詰まって生じる脳梗塞(中梗塞)

アテローム血栓性脳梗塞:イメージ画像

比較的太い脳血管や頸動脈が動脈硬化(アテローム硬化)で狭窄し、血栓ができて詰まることにより生じた脳梗塞です。中梗塞とも呼ばれます。アテローム(粥腫:じゅくしゅ)とは、動脈の内壁に悪玉コレステロールや炎症反応物質が付着して、おかゆのような状態になったことをいいます。

心原性脳塞栓症- 脳の太い血管が詰まって生じる脳梗塞(大梗塞)

心原性脳塞栓症:イメージ画像

心臓にできた血栓が、血流にのって飛散し、脳の太い血管に詰まることで生じることを心原性脳塞栓とよびます。これにより生じる脳梗塞は範囲が大きくなるのが特徴で大梗塞とも呼ばれます。主たる原因は、心臓に血栓を作りやすい心房細動(不整脈)で、他に、人工弁・洞不全症候群・拡張型心筋症なども原因となります。

脳梗塞の症状

脳梗塞は、どの血管が閉塞するかによって症状が異なります。

内頚動脈
(ナイケイドウミャク)
片側の内頚動脈の閉塞で、その先にある前大脳動脈、中大脳動脈領域の全てに梗塞が及ぶことがあります。上下肢の麻痺、左側の場合は失語症が起こりえます。脳全体の1/3が脳梗塞におちいる可能性があり、意識障害が起こることも稀ではありません。
前大脳動脈
(ゼンダイノウドウミャク)
下肢の運動麻痺、無動性無言症(意識はあるが、自発性がなく、魂が抜けたかのようにボーっとしている状態)
中大脳動脈
(チュウダイノウドウミャク)
顔面・上肢に強い運動麻痺、左側の場合は失語症(言葉を話すことや言葉の理解が出来なくなる状態)
後大脳動脈
(コウダイノウドウミャク)
反対側の同名半盲(両目の半分が見えなくなる)、反対側の感覚性麻痺。
脳底動脈
(ノウテイドウミャク)
閉塞のレベルによって症状が異なります。
  • 1)全盲、重度記憶障害、失読(文字を読むことが困難になる)
  • 2)同側顔面の麻痺と反対側四肢麻痺、眼球運動麻痺、舌麻痺
  • 3)閉じ込め症候群(四肢麻痺・無言により、意志の疎通が瞬きと眼球運動でしかできない状態)
椎骨動脈
(ツイコツドウミャク)
小脳性失調(体のバランスがとりにくくなる、ふらつきによる歩行困難、呂律がまわらない、嘔気・嘔吐)、同側顔面と対側半身の感覚障害。
眼動脈
(ガンドウミャク)
失明、一時的な眼動脈の閉塞で片目が突然見えなくなり、しばらくしてゆっくりと改善することもあります。これは、専門用語で“一過性黒内障”といい、重症の脳梗塞の前兆です。

脳梗塞の危険因子

脳卒中の危険因子に加えて、不整脈や心不全、心臓の弁膜症といった心臓疾患のある方は、血液によどみができやすく、血管内に血のかたまり(血栓)が形成されやすいため、それらが脳の血管に詰まって、脳梗塞を起こしやすいと言われています。
内服により血栓形成を予防するなど、適切な治療を行うことで危険性を減少させることができます。

脳卒中の関連リンク